2023年10月5日未明、
近畿大学剣道部の部員が飲酒したのち、
同部員を暴行して死亡させるという事件が起きました。
近畿大学は同月18日に記者会見を行い、
事件の詳細を明かしています。
同大学では過去にも飲酒死亡事件が起こっていました。
今回は、暴行事件の経緯や加害者の人物像、
また、過去の飲酒死亡事件について
解説していきます。
【事件の経緯】近畿大学の剣道部員が暴行され死亡!
事件の概要

2023年10月4日夜から5日未明にかけ、
近鉄長瀬駅にほど近い大阪・東大阪市の飲食店にて
近畿大学剣道部の
3年生・・・3人
2年生・・・3人
で飲酒を伴う会食が行われました。
日付が変わり、帰宅しようとしたところで
事件は起きます。
加害者、被害者とも
近畿大学の剣道部に所属している3年生です。
10月4日、東大阪市内の居酒屋で
先に今回の加害者、被害者2人が飲んでおり、
後から4人が合流しました。
加害者の部員は、
生ビール2杯・グラスワイン4杯・日本酒おちょこに5杯
ほどの飲酒量で、
これは被害者の部員も同じような飲酒量でした。

飲み会参加の6名のうち、
2年生2人が20歳未満での飲酒だったこともわかっています。
被害者の部員と20歳未満の部員が
飲みすぎて嘔吐したため、
5日午前1時15分頃に全員で店を出たといいます。
その際、加害者と被害者の部員は、
会計時から肩を寄せ合いふざけあっていたようです。

そして退店後、徐々にふざけあいがエスカレートし、
喧嘩のような状態になりました。
被害者の部員が先に平手打ちをし、
加害者の部員が怒って追いかけ、たたいたり押したりしました。
他の部員が止めを振り切った加害者の部員は、
さらに被害者の部員を押したようです。
その結果、被害者の部員は近くにあった複数台の自転車に倒れこみ、
後頭部を打ちつけて意識不明となりました。

その後、加害者は自ら警察や消防に連絡し、
19歳の2人を家に帰したようです。
被害者は病院に搬送され、
くも膜下出血の診断により入院しましたが、
10月16日に死亡しました。
加害者の部員は、
傷害容疑で現行犯逮捕されました。

警察の調べに対し、加害者の部員は
「先に殴ってきたので、殴り返した」
などと話しているようです。
警察は、
飲み会に参加した部員から事情を聞くなどして、
詳しい経緯を調べています。
加害者と被害者の関係性は?
加害者と被害者の部員は、
- 頻繁に自宅で飲食を共にするほど仲が良い
- 遊びに行く際も一緒
- 周囲が認める友人関係
と、親しい間柄でした。
逮捕後、加害者部員と面会した祖父は
「何を言っているのか分からないぐらい泣き崩れていた。
ただ、相手を思っていることが、よく分かった。
申し訳ないというような」
と話しています。

仲が良かった2人ですが
飲酒により、ふざけあいから喧嘩までエスカレートし
相手が亡くなる痛ましい事件にまで発展してしまいました。
現役近畿大学生の声
現役近畿大学生からは、
この事件に対して
「暴力とか周りではないので、受けたことも見たことも
なかったので、びっくりですよね」
「(剣道部)は普段からスポーツを真剣にしているので
このような事件が起こるのは想像もつかないので悲しい」
との声があがっています。
なんらかの恨みがあったわけでもなく、
ふざけ合っていただけなのに
お酒が入っていたことでここまで大きな事態に発展するなんて
本当にやり切れないですね。
2人は、切磋琢磨し合う仲だったのではないでしょうか。
【顔画像】逮捕された剣道部員は誰?名前や学年は?

逮捕された部員の名前や顔画像は公開されていません。
公開されている情報から
以下のことがわかっています。
・近畿大学法学部の3年生
・21歳
・3〜4歳から剣道を習ってきた
・人に慕われ好かれる人物
祖父いわく、
暴行事件を起こすような人柄ではないそう。
近畿大学剣道部部員紹介のサイトは
すでに削除されており、アクセスできない状態となっています。
近畿大学剣道部は5つあります。
- 体育会剣道部
- 工学部剣道部
- 薬学部剣道部
- 医学部剣道部
- 産業理工学部剣道部(福岡キャンパス)
今回、事件となった「体育会剣道部」は
インスタグラムのアカウントがなく、
加害者の顔が写った写真やアカウントが削除された可能性が高いでしょう。

近畿大学剣道部は
男女合わせて、44人が所属しています。
2022年には
「全日本学生剣道優勝大会」
で3位に輝いた強豪チームですが、
今回の事件を受けて活動を自粛することとなりました。
現場に居合わせた部員は
「逮捕された彼が、これだけ怒った様子は初めて見た」
と語っているようで、
普段は怒ることもあまりない人だったのかもしれませんね。
過去にも飲酒で死亡事件あり?
過去の飲酒事故

近畿大学では6年前にも、
テニスサークルの飲み会で男子学生が
酒の一気飲みを繰り返し、その後死亡した事故が
起きています。
この飲酒事故に対して、
遺族は大学に1億円あまりの損害賠償を求めていました。
その後、2023年3月の裁判で
大学が学生に対する飲酒事故の啓発活動など、
再発防止の取り組みを徹底することを約束する
という形で和解したばかりでした。
6年前の飲酒事故の遺族が
今回の剣道部の事件に対して取材に応じています。
「飲酒との関連はまだ分からない」としたうえで、「和解から1年もたたずにこのような事件が起きたことは残念で悔しい。当時約束した啓発活動が徹底されていたのか、大学が6年前のことを重く受け止めているのか、疑問だ」と話しています。
NHKニュースより引用
また、
剣道部の20歳未満の飲酒についても
周辺の飲食店も協力し、未成年の飲酒を防ぐ対策を講じてほしい
と話していました。
大学側の対策

飲み会シーズンが多くなりそうなシーズンには、
大学から学生に注意喚起のメールを送っています。
しかし、ある学生は
「それを詳しく読まない学生が多い」
と語っています。
大学の副学長補佐は
「学生を信頼していない大人からの注意は聞いてくれないものだと思っています。
常日頃から信頼関係を構築するようなつもりで、学生としっかり接していくことが
必要であると思います」
と今後の対応を述べました。
楽しかったはずの飲み会が
飲酒により事件に発展してしまいました。
未成年の飲酒はもちろんダメですし
成人していてもお酒の飲み方に注意が必要ですね。
亡くなった被害者の方のご冥福をお祈りいたします。